八十八夜 銘茶 星野園

2020.5.4

広尾散歩通り中ほどにある「銘茶 星野園」の創業は昭和19年。現在は2代目星野さんご夫妻が営む昔ながらのお茶屋さんです。産地にこだわる上質なお茶の豊富な品ぞろえと誠実なお人柄で大ファンの多い老舗です。

ひと月に1~2回だけ、店先にしつらえた年季の入った焙じ機を回してご主人がお茶を焙じ始めると、付近一帯に出来上がったばかりの焙じ茶のこうばしい香りが広がります。心地良い癒しの香りに通行人も思わず足を止めてしまう光景は、広尾散歩通りの名物でもあり、2012年発行のHIROOwalk4号にも紹介されています。

5月2日は八十八夜。星野園の店頭にはお待ちかねの新茶(一番茶)が並び始めました。冬の間にため込んだ栄養分とたっぷりの旨味成分を含んだ新葉を丁寧に摘み取った一番茶。

 

籠に入ったいくつものパッケージを眺めながら散々迷った末に、これにすんべと選んだ新茶は袋に「大走り」と書かれたもの。

 

「大走り」とは新茶の中でも特に早く生産されたもの。早場所のなかでも、厳選された茶園で、摘み取ったばかりの小さく柔らかい赤ちゃんのような芽だけでつくるお茶とありました。焙じ茶を淹れる時のような熱湯ではなく、多少低めの温度のお湯でいただくのが新茶の味わい方とか。女房がこしらえた水ようかんと一緒にいただきました。

とってもまろやか。何杯飲んでも兎に角美味しい。いつもは何となくのんでいたお茶との違いが今回はよ~くわかりました。何とも言えない上品な美味しさで、私の味覚もしっかり機能していることを再確認して一安心。

「新茶を味わうのならこれがいいんじゃない」と、若葉の季節を感じるやさしい色あいのお茶碗も星野園の女将さんが選んでくださったものです。

野山の新緑も一番美しい時期ですが、お出かけをして若葉を愛でるのは控えなくはならない今日この頃。

自宅で楽しむ美味しい新緑の八十八夜です。

 

by  Oyaji-M

 

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